写真(撮影者 Noriko)左から
Krug : アペリティフとして飲みたかったが、思った以上に熟成が進んでおり、シェリー酒のようなランシォ香が強く、赤りんごをすって数時間経ったような香りと味わい。
Rully, Drouhin 1992 : クリーミーで綿菓子のような香り。味わいは粘着性があり、広がりもあったが、徐々に紅茶のような香りに変化していき、ワインとしては下り坂。余韻短し。ちなみにパリ市役所の競売で落札したもの。
Muscadet 1993 : ブショネのような不快な香りであったが、次第にシャンピニョンや根菜の香りになり、トコロテンやミネラル香が強くなった。味わいはやせた感じ。これもやはり下り坂。とてもミュスカデとは想像もつかない位に熟成していた。パリ市役所競売にて入手。
Meursault 1er cru "Poruzots" 1996 : 気品のあるアーモンド混じりの香りがし、横と縦のふくらみのバランスがよく、余韻も長い。この先の熟成が楽しみなワインであった。これもパリ市役所競売品。
Gevrey-Chambertin 1959 : 液面が通常より1cm程下がっていたため、やはり酸化香が強く、果実香よりもアミノ酸系や鉄分、タンニンも荒く感じられた。
Vosne-Romanée 1er cru, Les Beaumont, Jean Grivot 1985 : 真紅の薔薇をドライフラワーにした感じの香りと、ナツメグや丁子、果物では木苺、そしてスモーキーな香り。味わいはとてもチャーミング。果実香とアルコールと酸のバランスが心地よく、あと口まで妖艶だった。この日の二番人気。
Volnay, Santonot 1978 : 色合いが非常によく、透明度が高く、動物香が強い。味わいは、香りよりも酸が気になる、苺を潰した感じ。1978年という年にしては物足りなく感じた。ムルソー寄りの土地であるにもかかわらず鉄分が非常に強く感じられたので、目隠し試飲したティスター達はジェブリーシャンベルタンの方に落としていた。ここの土壌をよく調べる必要がある。
Volnay, 1959 : オリエンタルスパイス(特にピンクの胡椒)、紅茶、と徐々に香りが変化し、私の中ではブルゴーニュのよい熟成に見られる胡桃油の香り、まさにVolnayの愛らしさと1959年という力強さが共存していた。いわゆる由美かおるワインである。状態は完璧に近く、この日の一番人気であった。
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