フランスの金融情報誌「La vie financière」 3183号に「2006年ワイン相場」という特集がありました。監修は、私も愛用しているワインガイド「Guide vert」の著者Michel BettaneとThierry Desseauve。
ワインを一種の資産と見てその投資価値を分析した、なかなか興味深い記事でしたので、内容をまとめてご報告します。
まず、Michel Bettane、Thierry Desseauve両氏から、ワインエキスパートAymeric de Clouet氏への一問一答です。
Q(Bettane&Desseauve) : ワイン市場の現状をどう思われますか?
A(Aymeric de Clouet) : ワイン業には一般的傾向というものはありません。どんなタイプのワイン、どのアペラシオンもそれぞれ独自の推移をしますし、同じアペラシオンのワインが互いに相反する動きを見せることもあります。
Q : たとえば?
A : そうですね、サンテミリオンを例にとると、年代物の格付けワインは高く評価されていますが、ガレージワイン、たとえばヴァランドローは、競売で売りにくくなっています。いっとき時流に乗ったワイン(まあ、流行は過ぎ去るものですが)には、もうそれほどの値がつきません。
Q : 確実な投資としては、何をおすすめになりますか?
A : 確実といえるのは、一級またはそれと同等のワイン(ペトリュスを含め)、それにコートドールのDRCをはじめとする主要ドメーヌだけでしょう。これらだけが、不作といわれる年であっても、間違いなくよい投資だといえます。なぜなら、その希少性によって、価格の上がっていく傾向がつくられるからです。
Q : ワイン投機についてどう思われますか?
A : 長期と短期を区別しなくてはなりません。2003年は、短期には投機的な年でしたが、これを保てるワインは少ないでしょう。反対に、1998年のボルドーは、私の考えでは、長期投機に向く年です。現時点で価格はあまり上がっていませんが、そろそろ飲み頃になっており(まもなく10年)、論理的に相場は上がるはずです。おいしいワインですから!