前回に続いて、フランスの金融情報誌「La vie financicère」 3183号の「2006年ワイン相場」特集からの要約です。
おいしいワインかどうか、好みの問題は別にして、投資対象として見た場合、よいワインとは、時がたつにつれて値段が上がっていくワインです。そのためには、生産数が限られていること、長く保存できること、人気があって皆が探し求めているワインであること、が必要です。
この条件を満たすワインを産する、ボルドー、ブルゴーニュ、ローヌ、そしてシャンパーニュを順に見ていきます。
ボルドー
投資対象になり得るワインが最も多いのは、メドック地方です。メドックのワインは味がよいばかりでなく、1855年の格付けのおかげでよく知られている上、市場に供給するのに十分でありながら相場を崩すには至らない生産量があります。
ダントツに需要が多いのは一級ワインで、当り年の価格は驚くほど高騰することがあります。たとえば、シャトーマルゴー1990年は、今では1991年6月の市場導入価格の11倍になっています。しかし、一級ワインは、ほとんどすべてのミレジムが、長い眼で見れば確実な投資であるといえるものの、より多くの資金が必要です(特にケース単位で買う場合)。
そこまで大きな儲けを求めるのでなければ、スーパーセカンド(ラスカズ、コスデストゥルネル、モンローズなど)や他の格付けワイン(パルメ、リンシュバージュ)に目を向けましょう。しかしながら、近年のいくつかのクリュ(特にラスカズ)の市場導入価格は、近い将来どころか永遠に値上り益を期待できない程上がってしまっているので注意を要します。
また、格付けされているのにあまり知られていないワインであっても、市場導入価格がリーズナブルであれば着実な売却益を生むことが、今回の調査で分かりました。ただし、儲けを狙ってこのようなクリュを買う人は、その売却方法、特に競売場(及びその潜在的顧客)の選択について特別な配慮が必要です。一級ワインはどこででも売れますが、そこまで評判の定まらないワインの売行きは、競売人やエキスパートの助言に左右されるからです。
サンテミリオンとポムロールでは、ペトリュス、ルパン、シュバルブラン、オゾーヌが別格で常に需要はありますが、市場に出る量が非常に少ないです。また、90年代にもてはやされたガレージワインの相場は相当下がっており、売却損が出る程になっています。ミレジム2000年も同様で、値上りしたワインはほとんどありません。