引続き、フランスの金融情報誌「La vie financiere」 3183号の「2006年ワイン相場」特集からの要約です。
ブルゴーニュ
ブルゴーニュの大ドメーヌのワインは、グランクリュでも格下ワイン(村名や単なるアペラシオン・ブルゴーニュ)でも、常に需要がありますが、生産量が少ないせいで、どの地方よりも早く価格が跳ね上がってしまいます。
とりわけ、Domaine de la Romanée-Conti(以下DRC)が別格である理由は、他に並ぶもののない品質、決して失敗しない安定性、そして、ロマネコンティとラターシュという、伝説的なモノポールの畑を所有していることでしょう。近年、ロマネコンティは、1本3千~6千ユーロで取引されており、間違いなく世界一高価なワインです。
DRCのエシェゾーとグランゼシェゾーは、比較的生産量が多いため入手しやすい代わりに、DRCの他のクリュ程相場は上がりません。しかし確実な投資といえます。
DRC以外で、相場が高く注目すべきドメーヌは、赤では、Comte VogüeのミュジニーGC、Dugat-PyのシャンベルタンGC、Denis Mortetのジェヴリーシャンベルタン。Leroyはどのクリュを選んでも着実です。白では、Comtes LafonのムルソーPC(シャルム、ペリエール、ジュヌヴリエール)、Coche-Duryのムルソー、Leflaiveのバタールモンラシェ、Joseph Drouhin-Marquis de LaguicheのモンラシェGC。
投資という視点で見た場合、品質のよいワインが値上がりするとは限りません。
シャブリやマコンでも、優秀な造り手がコストパフォーマンスのよいすばらしいワインを生産していますが、今のところ売却益は期待できません。たとえば、Dominique Lafonは、ムルソーで最も有名な畑のひとつであるDomaine des Comtes Lafonの所有者ですが、数年前からマコンでHéritiers du Comte Lafonの生産を始めました。同じ人物が入念に醸造したワインで、どちらも非常においしいのに(もちろん土地質の特徴による違いは明らかですが)、両者の価格には常に10倍以上の開きがあります。