パリのモンマルトルの丘の葡萄畑はよく知られていますが、ベルサイユでもワイン作りが始まりました。
ベルサイユ宮殿のトリアノンの庭園には今でも、マリー・アントワネットの田舎家や水車小屋、色とりどりの野菜がとれる菜園、牛や山羊や豚が飼われている小さな牧場などがあって、豪奢な宮殿とは好対照です。
そのトリアノンの風景に、今度はワイン畑も加わりました。2003年6月、2千平米の畑に、Brannaire-Ducru(St-Julien)、Lynch-Bages(Pauillac)、Troplong-Mondot(St-Emilion)から取寄せて植えたカベルネフラン千二百本とメルロー六百本が、この秋初収穫を迎えました。
「このワインはフェミニンでエレガントな、マリー・アントワネットがしたように氷と一緒に飲むワインになるはずだ。今年の収穫量は二百本にもならないが、いずれは二千本分獲れるようになる。単なる話題作に終らせず、質の良いワインに仕上げたい」というのが関係者の意気込みです。
遅摘みの、ロゼでは珍しい甘口ワインCuvée Marie-Antoinetteの最初の瓶詰めは、来年3月になります。
(参考:La revue du vin de France 2006年12月号)